プラントベースとは、野菜や果物を中心にナッツや豆類などから出来た植物性の食事を選択するスタイル。
プラントベースフードの世界的な流行によって、新しい角度から既存の食品にスポットライトが当たるというケースが生まれています。
ユニークな例として知られるのが、海藻のダルス。ただの海藻と驚くなかれ。実はこの海藻はベーコンの味を持つことで知られているのです。
今回は、海藻なのにベーコン味がするという不思議なプラントベース食材のダルスについてご紹介します。
目次
プラントベースとは何か?
プラントベースとは、野菜や果物を中心にナッツや豆類などから出来た植物性の食事を選択するスタイルのこと。プラントベースは海外から人気に火がつき、いまや日本でもブームの兆しが感じられるようになってきました。
プラントベースでは、植物性食品のみを使い、動物性食品は使いません。
しかしフードテクノロジーの進歩によって、今ではプラントベースミートやプラントベースフィッシュといった代替品がたくさん登場しています。これらは野菜や果物で出来ているのに、まるで本物の肉や魚を使っているような味わいを楽しめます。
プラントベースフードの世界的な流行によって、新しい角度から既存の食品にスポットライトが当たるというケースも生まれています。
本コラムでも過去に肉の代わりとして使われる果物のジャックフルーツや、大豆発酵食品のテンペについて扱ってきました。(参考URL:ジャックフルーツとは何か?プラントベースフード頻出の人気果物とは、プラントベースで人気!インドネシア発の大豆発酵食品テンペとは何か?)
今回新たに取り上げるのが、海藻のダルスです。
海藻のダルスとは何か?
数あるプラントベースフードの中でも非常にユニークな食材として知られるのが、ダルスです。
ダルスとは、主にカナダや北欧などで古くから親しまれてきた海藻の一種です。ダルスは乾燥スナックや料理のソースなどに使われてきました。
もともとは一部の地域の人のみが食材・薬用品として使ってきたものですが、ここ数年で世界的にも急激に注目されるようになってきました。なぜなら、ダルスを焼くことでまるでベーコンのような味わいになることが発見されたからです。
海藻は植物性食品に該当するので、プラントベース食材として食べることが出来ます。
植物性食品なのにベーコンの味わいを楽しめるという点が、ダルスが広く愛されるようになった理由です。
また、ダルスは栄養価に関しても非常に優秀です。
ダルスには、カルシウム・カリウム・ビタミンB12などが含まれており、意外にもたんぱく質も豊富に含まれています。その他にも抗酸化作用や視力の改善、血圧の低下といった効能も期待されるなど非常に優れたポテンシャルを秘めていることから、かつてスーパーフードとして話題になったケールに続く存在になるとも言われています。
海藻なのに焼くとベーコン味がするユニークさ、優れた栄養価、そして何よりプラントベースに合致する食材ということで人気の食材です。
ダルスの楽しみ方
ダルスは一般的に乾燥や粉末状のものが売られています。
プラントベースで最も一般的な食べ方は、乾燥ダルスを水で戻してフライパンで焼く、またはトースターでカリカリになるまで加熱するというものです。
海藻ですのでやや塩辛い味も付いており、ただ焼くだけでベーコンのような風味としょっぱさが味わえます。
また、粉末状タイプのものは、サラダや料理のトッピングとして風味付けに使われます。
実はダルスは日本の北海道でも自生しています。
もともと日本ではダルスは他の海藻に比べあまり食べられてこなかった食材ですが、近年の世界的な流行を受けて国産のダルスも販売されているようです。
ダルスを使った商品開発
ダルスを使った商品は、今まではただ乾燥させたものや、味付けしたスナック菓子が一般的でした。しかし最近では、ダルスはプラントベースミートの原材料としても注目されるようになってきています。
プラントベースミートとは、肉を使わずにすべて植物性食品だけで作られた肉のことです。(参考URL:プラントベースミートって何?ベジタリアンでも食べられるお肉とは)
今までプラントベースミートの開発では、本物らしい赤身の肉色を追求するために、ビートルートなどの果物が使われてきましたが加熱後にどうしても見た目の違和感が残るという課題がありました。
しかし、ダルスは海藻の中でも紅藻と分類されていることからも分かるように、赤い色味を持っています。加熱前は赤色に、そして加熱後には茶色に変色するという特徴があります。
このダルスの特性を活かすことで、味わいだけでなく、見た目も非常に本物の肉に近づいた加熱の表現が出来るという点が評価されているようです。
以前の記事で取り上げたプラントベースミートのベーコン(参考URL:香ばしさの再現性が鍵!?ついに出たプラントベースミートのベーコン)では、マッシュルームやメープルシロップなどを組み合わせてベーコンの風味を再現しようとしていました。同じベーコンの風味でもプラントベースの世界では様々なアプローチ方法があると言えるでしょう。ダルスはプラントベースとしての歴史は比較的浅い食材ですが、今後より一層研究や商品開発が進むことでさらに活躍の場が増えていきそうです。
まとめ
今回は、海藻なのにベーコン味がするというプラントベース食材のダルスについてご紹介しました。
ダルスは昔からある食材ではありますが、これまで愛用者は比較的限られてきました。しかし、プラントベースとしての価値を見出されたことから、今では多くの人から愛される食材となっています。
海藻なのにベーコン味というユニークさはなかなか他に類をみないものです。
日本でも次第に見かけるようになってきていますので、もし見かけたらぜひチャレンジしてみてはいかがでしょうか?