近年話題に上がることの多いサスティナブル(サステナブル)という言葉。耳にしたことがあるという方も多いのではないでしょうか?
サスティナブルという考え方は、実はプラントベースとも繋がりがあります。
プラントベースとは、野菜や果物を中心にナッツや豆類などから出来た植物性の食事を選択するスタイルのこと。プラントベースフードは、サスティナブルフードとしても知られています。
プラントベースで健康的な食生活や動物愛護が実現出来るということはよく知られていますが、今回はそれ以外のメリットとしてなぜプラントベースフードがサスティナブルフードと呼ばれるのかについて2つの理由からご紹介します。
Table of Contents
サスティナブルフードとは何か?
そもそもサスティナブルフードとは何でしょうか?
まず英語でサスティナブル(Sustainable)とは「持続可能な」という意味を持っており、サスティナブルフードとは「地球環境や人類にとって持続可能な食べ物」という意味で使われています。
持続可能という言葉は一見すると理解しにくいかもしれませんので、まずは持続不可能という逆の状態を考えてみましょう。例えば、地球環境に負荷がかかる食べ物を生産し尽くした結果、環境破壊が進行してしまいもう新たに食糧を生産することが出来なくなってしまった。あるいは環境汚染が進んで人類が地球に住むことが出来なくなってしまったといった状態は持続不可能と言えます。
2015年9月に国連によって提唱され、近年話題に上がることの多いSDGsもまさに同じ持続可能性について言及しています。SDGsは「Sustainable Development Goals」の略で、「持続可能な開発目標」と訳されます。持続可能なより良い世界を目指すことはもはや人類の共同課題と言えます。
食糧生産という場面においても、より持続可能なものが求められています。そこで登場した概念が前述のサスティナブルフードというわけです。
プラントベースフードがサスティナブルフードと言われる理由
プラントベースとは肉や魚や乳製品・卵といったような動物に由来する食品を使わずに、植物に由来する食品を選択する食のスタイルのこと。したがって、プラントベースフードとは野菜や果物をはじめ、ナッツや豆類などといった植物性食品のことを指します。
このプラントベースフードはサスティナブルフードであると言われています。理由としては大きく分けて次の2つの点が挙げられます。
地球環境に優しい
動物性食品の代表格と言えば肉ですが、肉を生産するためにはまず牛や豚といった畜産動物を育てる必要があります。特に大型動物を育てている間にかかる水やエネルギー資源には莫大なものがあります。エサとしての飼料用作物の生産にもまた同じく水やエネルギー資源が充てられることを考えても、肉は資源効率が悪い存在と言えます。
一方で、植物性食品の生産は一般的に地球環境にかかる負荷が軽くて済むことから、プラントベースフードは地球環境に優しいと言われています。
地球環境に優しいということがプラントベースフードがサスティナブルであると言われる理由の1つです。詳しくは過去の記事(参考URL:プラントベース食が地球環境に優しい3つの理由)でも解説しています。
食糧危機の回避に役立つ
日本の人口減少が話題になってから久しいですが、世界規模で見ると世界の人口はむしろ増加し続けています。国連のデータによると2050年には2019年から26%増の97億人に、2100年には42%増の109億人にまで増えることが予測されています。(参考:世界人口推計2019年版)
人口増加による食糧需要の拡大により、今の食糧生産の仕組みのままだと将来は人口に対して食料が足りなくなる食糧危機が訪れると言われています。
将来な農地面積の増加は予測されているものの、地球上の耕作可能な土地は限られています。
国連食糧農業機関(FAO)のデータによると、いま現在、世界の土地の約26%は家畜の放牧に、約33%は飼料の栽培に使われています。もし畜産動物の飼育や飼料用作物の栽培に使用している土地を、人間が直接消費する作物用の土地に活用することが出来れば大豆や穀物といった作物の耕作面積が拡大することに繋がります。また、水資源を有効に活用することも出来ます。
もちろん土地の向き不向きはありますが、全体としては食糧生産量が上がると予測されているので、肉食の代わりにプラントベースフードを選択することは人類全体でみたときのプラス要素が大きいと言えます。
過去の記事(参考URL:プラントベース食が食糧危機を救う?食事で考える未来の環境)でも解説している通り、食糧危機の回避に役立つというのがプラントベースフードがサスティナブルであると言われる第2の理由です。
まとめ
今回はプラントベースフードがサスティナブルフードと呼ばれる理由について2つの理由からご紹介しました。
毎日の食事は、我々を取り巻く地球環境や人類全体の問題に関わっています。日々の営みの中ではうっかり見過ごしてしまいがちですが、長期的な視座に立ってみると持続可能な食糧生産システムの構築は誰にとっても大事なことです。
プラントベースを選択することでサスティナブルな取り組みの一助になります。サスティナブルフードに興味を持ったらまずはプラントベースをはじめてみてはいかがでしょうか。本コラムではプラントベースの情報について引き続き発信をしていきます。