いま世界中でプラントベース食が選ばれています。
プラントベース食がこれほどまでに人気になっているのは、様々な信条を持つ人々に選ばれているという背景があります。例えば、単純に果物や野菜の味を楽しみたいという人もいれば、宗教上の理由で選びたいという人、健康的なよりヘルシーな食べものを求めたい人、動物の権利のために肉食をしたくないポリシーの人など多くの理由で選ばれています。
以前の記事(参考記事:プラントベース食が地球環境に優しい3つの理由)では、地球環境のためにプラントベース食を選ぶという人達とその理由についてご説明しました。
もし、このままプラントベース食が私達の社会に食習慣として根付くとしたら世界の食糧危機が回避出来るのではないかという話があります。果たしてプラントベース食と食糧危機には一体どんな関係があるのでしょうか。
今回はプラントベース食が世界の食糧危機を救うをテーマに解説します。
Table of Contents
地球人口と食料需要は増加傾向である
日本では少子化の問題が叫ばれて久しく、人口減少の問題が大きく取り沙汰されています。しかし、地球規模で見てみると世界の人口は増え続けています。国連のデータによると、世界の人口は増加傾向にあり、2050年には2019年から26%増の97億人に、2100年には42%増の109億人にまで増えることが予測されています。(参考:世界人口推計2019年版)
人口の増加にともなって、食料需要も増加していくことが予想されています。農林水産省が予測した「2050年における世界の食料需給見通し」によれば、世界の人口増加と発展途上国の経済発展により2050年の世界の食料需要量は2010年比の1.7倍となるとされています。
一部の地域では生産人口や経済発展にともなう農業投資の増大により食料の生産量も上昇すると予想されてはいます。しかし、人口増加による需要量の増加の方が生産量の増加を上回るということなので、このままいくと人口に対して食料が足りなくなる食糧危機が訪れるとの見通しが立っています。(参考:「2050年における世界の食料需給見通し」https://www.maff.go.jp/j/press/kanbo/anpo/190917.html)
食料危機を防ぐための試みとして、食糧生産の効率化やフードロスなどの取り組みがあります。その他に、いま注目されているのは肉食からプラントベース食への転向です。
肉は生産効率が悪い
肉を生産するには、家畜動物を育てるところから始める必要があります。畜種によって飼育期間は様々ですが、例えば牛なら最低でも数年間は育てる必要があります。長年育てる間に畜産動物を世話する必要があるので、飼料や水をはじめとする大量の資源がかかります。植物の生産でかかる時間と資源に比べると、肉は生産効率が悪いに言われています。つまり、簡単にまとめると肉食はプラントベース食に比べると生産におけるパフォーマンスが悪い存在と言えます。
いま肉食は多くの国の食文化として根付いています。例えば、凍土を除いた地域のうち約26%の土地が家畜動物用の牧草地として使われ、約33%の農地が飼料用の作物の栽培地として使われていると言われていると言えば、肉食がいかに大きなものなのかが分かるのではないでしょうか。
プラントベース食が食料危機回避に繋がる
このような背景のなかで、これからの食料事情を考えるといまの肉食の生活を見直す必要があると言われています。もし、肉食をする人が減ってプラントベース食を選ぶ人がもっと増えれば食料の生産バランスは変化していきます。
このことが、プラントベース食を食べる人が増えると世界の食糧危機の問題解決に繋がるといわれる理由なのです。そのためにはプラントベース食がただの一過性のブームではなく、食文化として定着することが求められます。
まとめ
今回は前回のプラントベースが地球環境に優しい理由(※プラントベース食が地球環境に優しい3つの理由)とはまた違った視点で、プラントベース食が食糧危機を救うという話題についてご紹介しました。
毎日の食事というと何気ないもののように感じられますが、食べものを選ぶことが実は未来の世界にも繋がっています。プラントベース食のもたらす良い影響についてのお話でした。