植物由来の食べものとしていま人気のプラントベース食。
プラントベース食のなかでも、近年フードテックと呼ばれる新しいテクノロジーを駆使して開発されている食べものといえばプラントベースミートです。ベジタリアンやヴィーガンのように肉食をしない人でも食べられる肉として認知されつつあります。
いま巷では代替肉・フェイクミート・培養肉・クリーンミートなど様々な肉に関する言葉が飛び交っています。あなたはこれらの言葉とプラントベースミートがどう違うのかについて知っていますか?
今回はプラントベースミートとは何かについてをメインにご説明します。
目次
プラントベースミートとは何か
プラントベースミートとは、植物由来の原料から作られた肉のことを指します。プラントベースミートは、英語でplant based meatと表され、植物性の肉という意味です。肉と名前が付いているものの実際には野菜や果物をベースにしており、動物の肉は含まれていません。したがって、ベジタリアンやヴィーガンのように肉食をしない人でも肉料理を楽しめるため、画期的な技術革新のプラントベース食として知られています。
ベジタリアンやヴィーガンを自分のライフスタイルとして選んだ人でもたまに肉の味が恋しくなったり、慣れ親しんだ食事から離れるのが辛いという人もいますが、プラントベースミートを料理に使うことで肉食からの移行がしやすいと言われています。
見た目や味、食感を肉にみせかけた「肉もどき」であるという意味合いから、代替肉やフェイクミートなどとも呼ばれています。しかし、これらの言葉には肉があくまで主役で、植物は「代替」や「フェイク」に過ぎないというニュアンスが入ります。プラントベースミートは植物性の肉という事実をそのまま表しているということで、植物性料理を摂取することに対してより能動的なイメージの伴う言葉になっています。
具体的なプラントベースミートを生産しているメーカーとしては、インポッシブルフード社やビヨンドミート社などが有名です。アメリカでは一般のスーパーマーケットや大手ファーストフード店などで広く提供が始まっており、日々の食生活の中で定着しつつある存在です。日本でも複数の大手企業が今後の市場を見据えてプラントベースミートの新製品を出す予定を次々と発表しています。
プラントベースミートと培養肉は別物
それでは、同じく最近フードテックとして話題になっている培養肉とは何なのでしょうか?
培養肉とは、動物の細胞を人工的に培養することによって作られた肉のことを指します。いま食卓で食べられている肉は主に家畜動物の肉です。家畜動物は飼育される過程で肉をつけ、食肉として加工されていきます。一方で、培養肉は家畜動物から採取した細胞を人の手によって培養して増やすことで食肉となります。つまり、培養肉は家畜動物を飼育するステップを飛び越えた肉の生産と言うことができます。ただし、あくまでも培養肉は家畜動物の細胞から生まれているので、植物を原料として生まれたプラントベースミートとは全くの別物となります。
培養肉は、家畜動物の飼育にともなう環境悪化の問題や感染症の危険性を減らせる手段として期待されています。また、殺される家畜動物の数を減らせるので動物愛護の精神からも支持されており、綺麗な肉という意味を込めてクリーンミートとも呼ばれています。
このように培養肉が選ばれる理由にはベジタリアンやヴィーガンの人がプラントベースミートを選択する理由と通じる部分もあるので、それぞれの違いを把握しておくとより理解が深まります。
プラントベースの魚や卵も存在
プラントベースミートは様々な理由により人々から支持され一般的になりつつある存在です。これらの高まるプラントベースの需要に応えて、肉の次に開発が進みつつあるのはプラントベースの魚や卵です。
それぞれ実用化の段階を終え、海外の一部のスーパーマーケットやレストランなどでは食べられるようになっています。これからは、肉や魚や卵と言葉を言っても動物由来か植物由来かを確認する必要のある時代が来るかもしれません。
まとめ
今回はプラントベース食を語る上で外せないプラントベースミートについてご紹介しました。
日本の食べものであるがんもどきの由来は、もともと雁(がん)という鳥の肉の代わりに植物性の料理として生まれたことに端を発しています。今では元のルーツに関係なく、がんもどきそのものが人々に愛され食文化として定着しています。
プラントベースミートもいつか幅広い人から積極的に選ばれる日も近いのかもしれません。