ビーガンとは、動物性製品の使用に反対するライフスタイルのことを指します。
革や毛皮などといった動物性素材を使った衣服や工業製品などを使わないこともビーガンの活動の一つですが、最も一般的に知られているのは徹底した菜食主義ではないでしょうか?
多くのビーガンは、肉や魚、乳製品などの動物性食品を一切摂取しませんが、中には魚介類は食べても良いとするシーガンを選択する人もいます。
魚介類を食べても良い菜食主義には、他にもペスコ・ベジタリアン(ペスカトリアン)がありますが一体これらの違いは何なのでしょうか?
今回は、まずビーガンが食べられるもの、そしてシーガンとは何か、ペスコ・ベジタリアン(ペスカトリアン)との違いは何かについて解説します。
Table of Contents
ビーガンが食べられるものとは何か?
ビーガンとは、動物性製品の使用に反対するライフスタイルのことを指します。
ビーガンを選択する理由は人それぞれですが、主に動物愛護の精神から始める人が多いとされています。
革や毛皮などといった動物性素材を使った衣服や工業製品などを使わないこともビーガンの活動の一つですが、最も一般的に知られているのは徹底した菜食主義ではないでしょうか?
一般的なビーガンの食事では、動物性食品を一切摂取しないことが勧められています。動物性食品とは、肉や魚、卵や乳製品などのことを指しますので、ビーガンは野菜や果物といった植物性食品のみを食べることができると言えます。
しかしながら、過去の記事(参考URL:菜食主義の徹底解説!これで分かるビーガンとベジタリアンの種類)でもご説明したように、菜食主義の種類は実は多岐に渡っています。
ビーガンの中でも、動物性食品のうち魚だけは食べても良いとする選択をする人もいます。
魚を食べるビーガン、シーガンとは何か
動物性食品のうち魚だけは食べても良いとするビーガンのことは、シーガンと呼ばれます。シーガンとは、英語でseaganと表されます。これは、海のseaとビーガンのveganを組み合わせた造語であり、2016年頃から使われ始めた言葉ですので比較的新しい考え方です。
シーガンは、ビーガンのように動物性食品を食べず植物性食品の生活を送るものの、持続可能な環境の中で取れた魚介類ならば食べても良いとするコンセプトを持っています。
ビーガンが魚介類を食べない理由としては、主に魚を殺して食べるという行為が残虐であり可哀想である、地球上の種を保存する観点から海洋資源を減らすべきでないというものがあります。
しかし、シーガンの主張においては、魚介類は高度な知能を有する生物ではないため痛みや恐怖を知覚できず動物愛護の対象にはならないという点や、持続可能な環境の中で育ったものならば食べても問題はないという点が強調されています。
魚介類の定義にはいくつかの議論があります。
例えば、人によっては魚は痛みを感じる機能を持っている可能性があるから食べないけれど、ホタテや牡蠣などの二枚貝は明らかに脳が無いから食べても良いとする人もいます。エビや蟹などの甲殻類についても同様に議論が割れています。
ただし実際のところ、基本的にはシーガンは魚介類全般を食べて良いということになっています。
ビーガンが食べられる植物性食品に、魚介類もプラスできるということから、シーガンとは魚を食べるビーガンであると言うことが出来ます。 ちなみに持続可能な環境を意識した食べものは、サスティナブルフードと呼ばれます。サスティナブルフードについてはこちらの記事(参考URL:プラントベースフードがサスティナブルフードと言われる2つの理由)でもご紹介しています。
ペスコ・ベジタリアン(ペスカトリアン)との違い
さて、シーガンとは魚を食べるビーガンであるとご説明しました。
それでは、同じく魚を食べても良い菜食主義であるペスコ・ベジタリアン(ペスカトリアン)との違いは何でしょうか?
ペスコ・ベジタリアン(ペスカトリアン)とは、肉は避けるが魚介類は食べるというベジタリアンのことを指します。ベジタリアンは卵や牛乳といった乳製品を禁じていないので、ペスコ・ベジタリアン(ペスカトリアン)の中には卵や乳製品を食べる人が存在します。
一方で、シーガンは全ての動物性食品を禁じるビーガンに基準を置いているので、卵や乳製品は食べません。
したがって、シーガンとペスコ・ベジタリアン(ペスカトリアン)は、菜食主義であり、動物性食品のうち肉は食べないが魚介類は食べても良いという部分が共通しているものの、卵や乳製品を食べるかどうかについて大きな違いがあると言えます。
また、ペスコ・ベジタリアン(ペスカトリアン)は、魚介類が持続可能な環境の中で育ったものであるかについてあまり追求しないという点も忘れずに押さえておく必要があります。
まとめ
今回はシーガンとは何か、ペスコ・ベジタリアン(ペスカトリアン)との違いは何かについて解説しました。
シーガンとは、持続可能な環境で育った魚介類なら食べても良いとするビーガンのことです。ペスコ・ベジタリアン(ペスカトリアン)との大きな違いは、卵や乳製品を食べるのはNGという点です。
シーガンは比較的新しい考え方ですので、持続可能な環境で育っているかを考慮するという点が入っていることも見過ごせませんね。
プラントベースフードの中には植物から生まれた魚の代替品も出てきていますが、シーガンのような新しいスタイルについても知っておくとさらに知見が広がることでしょう。本コラムではプラントベースの情報について引き続き発信を続けていきます。