世界中で関心を集めている植物性料理。プラントベースの食べものがこれほどまでに世界中で求められている背景にはベジタリアンやビーガンのライフスタイルを取り入れる人が近年急激な勢いで増加しているからだと言われています。それでは、植物性料理のみを食べるビーガンの人たちは一体どのような理由でそのライフスタイルを続けているのでしょうか?
今回は新たな植物性料理が次々と生み出されているイギリスにおける調査で、ビーガンのライフスタイルを送っている人達はなぜ植物性料理を選択しているのかについてご紹介します。
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イギリスで急増するビーガン人口
2018年に実施されたビーガンソサエティの調査によると、イギリスではビーガンの食生活を送っている人が約60万人います。2006年時点ではビーガンの人口は約15万人だったとされるので、比較すると約10年間の間にビーガンの食生活に切り替えた人が4倍ほどにまで急増したことになります。
BBCの報道によると、菜食主義の食生活を送っている人達がなぜ肉食をしないのかという質問について第1位で最も多かった理由は動物福祉の理由からで、第2位は環境問題、第3位は健康上の理由と発表されています。普段肉食をしている人が健康上の理由から植物性料理を食べようとするのに対して、ビーガンの人は動物の福祉の観点から植物性料理を選択しているという違いがはっきりと出ています。
(https://www.bbc.com/news/business-44488051)
なぜ肉食をしないのか
第1位:動物福祉の観点から
ビーガンが植物性料理を選択する理由のうち、第1位で最も多かった理由は動物福祉の観点から肉食はしないというものでした。
この考え方のベースは動物愛護の精神から来ているもので、畜産動物の生きる権利を尊重するというポリシーです。この結果から動物をただ人間が食べるためだけに育て殺すことは残酷で倫理に反するという考え方を持つ人が増えているということが読み取れます。
第2位:環境問題の観点から
続いて第2位は環境問題の理由でした。
環境問題による気候変動はもはや世界的な課題となっており、温暖化を止めることが人類における命題になっています。畜産動物は、その飼育期間にあたり大量の飼料を必要とすること、特に牛は反芻によって地球温暖化に影響するメタンガスを排出することで知られています。畜産動物の飼料用作物の代わりに、作物を育てることが地球環境にかける負荷を大幅に減らせることから、環境問題への意識が高い人々がビーガンの食生活を支持しているのです。
第3位:健康上の理由から
第3位は健康上の理由でした。
ビーガンの食生活を送っている人は、非菜食主義者の食生活の人に比べて心臓病と糖尿病の発生率が低かったり、統計的に痩せている人が多かったりするために健康であるという情報があります。健康意識の高い人や健康悪化の経験のある人が植物性料理に転向しているということのようです。
まとめ
今回はビーガンのライフスタイルを送っている人達がなぜ植物性料理を選択しているのかという理由についてご紹介しました。
この調査結果で興味深いのは、健康上の理由という自らの理由でビーガンの選択をしているよりも、動物福祉や環境問題という他の要因によってビーガンの選択をしている人の割合が多いところです。つまり、動物福祉や環境問題の情報教育が広まってきたことにより人々の社会問題への意識が高まった結果、植物性料理が支持されていることになります。
一方、日本人の社会問題への意識についてはどうでしょうか?ベジタリアンやビーガンという言葉は広まってきたものの、まだまだ動物福祉や環境問題についての関連性は認知されていません。植物性料理・MODOKI料理をこれから日本で進めていくには、ビーガンの食生活を選ぶことが社会にどんな影響を与えるのかといった考え方をセットで広めていくことが求められそうです。