最近よく聞くSDGsという言葉。
国際社会が目指すとされている持続可能な社会とは一体どんなものでしょうか?
もしかしたらあまり普段の生活と関わることではないと思われる方もいらっしゃるかもしれません。しかしながら本当は私たちが過ごす毎日の生活と密接に関わる内容であり、プラントベースとも非常に関わりが深いお話です。
今回は、SDGsとプラントベースとの関係についてご紹介します。
Table of Contents
SDGsとは何か
そもそもSDGsとは何でしょうか?
SDGsは「Sustainable Development Goals」の略で、日本語では「持続可能な開発目標」と訳されます。2015年9月の国連サミットで採択された国際目標であり、加盟国全体で2030年までに達成することを目指すことになっています。
持続可能な開発とは、豊かさを求めることと、地球環境を守ることの2点を矛盾なく両立させることを指します。サスティナブルとプラントベースとの関係についてはこちらでも解説しています。(参考URL:プラントベースフードがサスティナブルフードと言われる2つの理由)
SDGsの中には17個の項目があり、それぞれの項目の目標達成に向けた具体的な基準が169個設定されています。主要な項目としては、貧困の撲滅や、質の高い教育の拡充、クリーンなエネルギーを行き渡らせることなどが明記されています。
SDGsは15年間のうちに達成すべき目標として設定されました。2020には、Sustainable Development Report 2020として日本のSDGsに対する取り組みに対する進捗評価が出ています。
レポートによると日本の達成度のスコアは100点中79.17点となっており、加盟国193ヶ国中のうち上位17ヶ国に位置しています。
進捗状況が前向きに評価されている点もありますが、気候変動に対するアクションや海上と陸上の豊かさを守る項目に関しては厳しい評価が下されています。
2021年を迎えたいま目標達成の期限まで10年を切っており、課題達成へのリミットは着々と迫ってきていると言えます。
プラントベースはSDGsにどう貢献するのか
プラントベースとSDGsとはどんな関係性があるのでしょうか?
プラントベースとは、野菜や果物を中心にナッツや豆類などから出来た植物性の食事を選択するスタイルのことを指します。そのためプラントベースフードには肉や魚、乳製品や卵といった動物性食品は一切含まれません。
動物性食品の中でも身近な食肉ですが、実は食肉の生産には非常に多くのコストがかかります。特にコストの中でも見過ごせないのが、自然環境にかかる負荷です。たとえば牛が排出するメタンガスや、飼育にかかる水資源、エネルギーなどの問題が大きな負荷として知られています。詳しくは過去の記事で解説しています。(参考URL:プラントベース食が地球環境に優しい3つの理由)
上記のように肉が環境負荷の高い食べ物であることに比べると、プラントベースは植物性由来なので環境負荷は低いことになります。
つまり、肉の代わりにプラントベースを選択することは環境に優しい選択をしていることと同じことになります。普段の生活の中でプラントベースを優先して取り入れることは、SDGsへ貢献すると言えるでしょう。
プラントベースの正しい理解がSDGsにも繋がる
それではプラントベースフードを食べることで気候変動を止めることができます!と言われてすんなりと理解できる人がどれくらいいるでしょうか?日本ではまだなかなか一般的な知識としては受け入れられていないかもしれません。
しかしプラントベースがいち早く普及している欧米では、環境のためにプラントベースを選ぶという意識がかなり浸透してきています。その背景には、学校教育や市井の啓蒙活動があったり、給食で肉を食べない日を設けるミートフリーマンデーという活動を取り入れるところがあったりするなどの動きも関係しています。(参考URL:週一回だけのベジタリアン?ミートフリーマンデーとは何か)
プラントベースを始める動機は人それぞれです。
肉料理とプラントベースフードのどちらかを食べようと迷っているときに、料理を選ぶ決め手は食べる人に委ねられています。健康や価格を気にして選ぶというのもありですし、なんとなくこっちを食べたいからという気分で決めるのももちろんありです。
その選択肢の中に、なんとなく環境に優しいものを食べたいからという理由を加えてみるのも良いのではないでしょうか?
プラントベースはただ一過性の流行りものではなく、いまや国境を越えて多くの国で新たに定着しつつある食の選択肢です。
もし個人でSDGsを意識した行動をとりたいと思うのなら関連する知識を得ておく必要があります。プラントベースに対する正しい理解もその一つ。なぜなら、そもそもプラントベースが地球環境に良いということを知らなければ肝心の行動を移すことができないからです。プラントベースの正しい理解がSDGsの達成にも繋がっていきます。
まとめ
今回は、SDGsとプラントベースとの関係についてご紹介しました。
SDGsとは、2015年に国連で採択された持続可能な開発目標のことです。持続可能なより良い世界を目指すことはもはや人類の共同課題と言えますが、普段の生活の中にプラントベースを取り入れることで個人でも貢献することが出来ます。
まずはプラントベースとは何かを正しく知ることが大事です。私たち植物性料理研究家協会ではこれからもプラントベース情報に関する情報を発信していきますので、ご興味のある方は引き続きチェックしてみてください。