プラントベースフードとは、植物性の原材料のみから作られた食べ物のことを指します。したがって、プラントベースでは、肉や魚、卵や牛乳といった動物性食品を使いません。
さて、あなたはプラントベースの献立と聞いて一体どんな食事を想像しますか?
普段あまりプラントベースに馴染みがない人の中にはサラダなどの生野菜やスムージーといったものをイメージされる方や、正直なところ全くレシピのイメージが湧かないという方もいるかもしれません。しかしながら、実はプラントベースの献立はそこまで難しいものではありません。
プラントベースは、通常の食事とかけ離れたものではなく、むしろその延長線上にあるものです。
今回は普通の献立をプラントベースとしても作れるということをお伝えするために、家庭内の献立として定番の3品をプラントベースで作るアイディアについてご紹介します。
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薬膳カレー
日本で定番と呼ばれるカレーと言えば、ビーフカレーやシーフードカレーなど様々な種類がありますが、もちろんプラントベースフードとしての応用も可能です。もともとカレーはインド発祥の料理ですが、インドと言えば宗教の関係でお肉を食べない人が多い国として知られています。そうした背景からプラントベースのレシピも数多く存在します。
まず実現しやすいアイディアとして薬膳カレーが挙げられます。
通常のカレー作りで使われるカレールウは動物性油脂を使っているものが多いので、プラントベースでカレーを作るならカレールウなしで作ることになります。カレールウの代わりに、一からスパイスを炒めることで薬膳カレーを作ることができます。作り方は、野菜を炒める際に各種スパイスを入れるだけなので、難しいものではありません。
薬膳カレー作りにはお好みに合わせてクミン、カルダモン、クローブなどのスパイスを組み合わせることが可能ですが、日常生活でスパイスを使う機会があまりない方や初心者の方はまずはカレーパウダーを使ってみると良いでしょう。カレーパウダーはカレー作りのベースになるスパイスがあらかじめ配合されているので用意するのが簡単ですし、味のバランスも調整しやすくなります。また、スパイスの調合以外にもゴボウを入れたり、フライドガーリックを入れたりすることでコクを出すというテクニックもあります。
スパイスを炒めて作るカレーでは、プラントベースフードだけでも十分に奥深い味わいを生み出すことが可能です。普段のカレーとの違いから、改めてスパイスや野菜の旨味が感じられるカレーとなるでしょう。慣れてきたら徐々に新しいスパイスを加え、自分好みの薬膳カレーを極めてみるというのも楽しいものです。
野菜餃子
もともと一度に野菜がたくさん食べられる献立として知られる餃子ですが、これもまたプラントベースにぴったりの献立です。
通常餃子に使われる具材としては豚肉にキャベツ、ニンニクにニラといった香味野菜を加えることが一般的ですが、プラントベースにするアイディアとして豚肉の代わりに中身の具材をすべて野菜にしてみるというアイディアがあります。
野菜餃子に使う具材はプラントベースフードでさえあれば、何でも自由に組み合わせることができます。きのこや葉野菜をめいっぱい詰めてみるのはもちろんのこと、肉の代わりに水切りした木綿豆腐を加えたり、乾燥大豆を水で戻して刻んだものを加えたりとするなど工夫のしどころはたくさんあります。餃子の皮の中に閉じ込められた野菜の旨味を堪能できる献立となります。
餃子の皮はもともと動物性食品を含まないので市販のものを使って大丈夫です。ただし、皮作りは難しいものではありませんので時間があれば自作してみると良いでしょう。市販のものよりも、よりもちもちとした食感を楽しめます。
餃子は焼き餃子だけではなく、蒸し焼きや水餃子としても食べられますのでたくさん手作りして冷凍ストックを作っておけば応用が効くのも嬉しいですね。
高野豆腐ハンバーグ
ハンバーグは、大人から子どもまで人気のあるメニューとして知られています。ハンバーグもまた高野豆腐を使うことでプラントベースにするアイディアがあります。
通常はひき肉を使いますが、これを高野豆腐に置き換えます。高野豆腐とは豆腐を凍らせたのちに乾燥させたものですが、高野豆腐を使うことでひき肉に近い食感が得られるだけではなくたんぱく質もしっかりと取ることができます。
高野豆腐を水に漬けて戻した後にミキサーやフードプロセッサーで砕き、玉ねぎなどの野菜と混ぜます。通常はつなぎとして卵を使うことが一般的ですが、片栗粉などのスターチ類を入れることで代用することが出来ます。一見手間がかかるように見えますが、肉を扱う際に発生する独特のぬめりがないのでとてもスムーズに作ることが出来るプラントベースのレシピです。
高野豆腐ハンバーグは、大きく作って晩御飯のメインのおかずにすることも、小さく作ってお弁当の一品にすることもできます。付け合わせのソースも、トマトベースやポン酢ベースをはじめ組み合わせ次第で味を変えられるので汎用性の高いレシピと言えるでしょう。
まとめ
今回はカレー、餃子、ハンバーグといった人気の献立をプラントベースで作るアイディアについてご紹介しました。
普段から馴染みのある献立が簡単にプラントベースでも作ることができるということで、プラントベースフードをより身近なものに感じられたのではないかと思います。
プラントベースは海外から始まった運動ですので、新しいレシピや海外のレシピなどに目がいくこともあるかもしれません。
しかしながら、プラントベースを長続きさせるには普段の生活の中に取り入れていくことを考える必要があります。その際にはこの記事でご説明したような既存の献立をプラントベースに置き換えられるといった視点を持つことがヒントになるでしょう。プラントベースの献立で食生活を美味しく豊かに楽しみましょう。