世界中で人気が高まるプラントベースフード。
プラントベースフードの市場拡大はいよいよ本格化し、世の中にはたくさんのプラントベース代替品が既に登場しています。
プラントベースミート、プラントベースミルク、プラントベースエッグ、プラントベースフードフィッシュなどといった、数々の原料となる代替品の登場によって、今まで縁遠そうに思われた加工品にもどんどんプラントベースが進出しています。
プラントベースのベビーフードもそのような流れのひとつです。
今回はひょっとしたら意外に思われるかもしれないプラントベースのベビーフードについてご紹介します。
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プラントベースフードの市場拡大が本格化
2020年3月のSPINS retail salesのデータによると、アメリカのプラントベースフードのドル売上高は2019年に5億ドルにまで達し、過去1年間で11%増加、過去2年間で29%増加しました。米国の小売食品の総売上高が過去1年間で2%増加、過去2年間で4%増加していることと比べると、プラントベースフードの市場規模が全体の市場規模よりもはるかに急激に拡大していることが伺えます。
主な原因は、ベジタリアンやビーガン、フレキシタリアンといったライフスタイルの浸透によってプラントベースフードの需要が高まったことに起因します。例えば、米国では、ビーガンの人数は2014年に400万人だったのに対し、2017年には1960万人となり、3年間で約5倍になったとの報告もあります。(The Age of Veganism: Vegan Statistics for 2020)
この増加傾向はヨーロッパなど他の国々でも同様に見られています。
また、国によっては学校給食でミートフリーマンデーという月曜日に肉食を断つキャンペーンを実施しているところもあり、週一回のベジタリアン給食に慣れ親しんだ世代が今後よりプラントベースフードを消費する世代になるとの見方もあります。
代替品を使った加工品の登場
代替品も動物の肉を使わないプラントベースミートをはじめ、プラントベースミルク、プラントベースエッグ、プラントベースフィッシュ、プラントベースチーズ、プラントベースヨーグルトなど、どんどんと新商品開発が進んでいます。
原料となる代替品の登場によって、今まで縁遠そうに思われた加工品にもプラントベースが進出しブレイクスルーが起こっています。
例えば、プラントベースミートを使ったハンバーガー、プラントベースチーズを使ったピザ、プラントベースフィッシュを使った寿司といった具合で、いずれも植物性100%のものです。以前の記事(プラントベースなのにジャンクフード?多様なプラントベースの可能性)でもご紹介した通り、プラントベースのジャンクフードも存在しています。
普段は菜食主義ではなく肉や魚を食べるという人でも、気軽にプラントベースフードを手に取れる時代が到来しています。プラントベースの市場拡大はいよいよ本格化していると言えるでしょう。
プラントベースのベビーフードも登場
このようなプラントベースフードの増加はベビーフードにも及んでいます。
ビーガンやベジタリアンなどの菜食主義を実践している両親は、自分の子ども達にも幼い頃から同じライフスタイルを実践させたいと思い、プラントベースフードを与える傾向にあると言われています。
米国小児科学会は、栄養的によく計画されたものであれば、ベジタリアンやビーガンといった菜食の食事パターンは乳幼児にとっても健康的なものになるとの声明を出しています。この解釈は国や機関によって様々ではあるものの、現実的には、ベジタリアンあるいはビーガンの離乳食の市場は、2016年から2021年に10.6%増加するとの予測があります。(The Age of Veganism: Vegan Statistics for 2020)
実際に、既にプラントベースのベビーフードも登場しています。
プラントベースが既存の食品からプラントベース化した食品に置き換わっていく流れを見ると、ベビーフードも今後さらにプラントベース化が進んでいくことが予想されます。
まとめ
今回はプラントベースの需要拡大にともなって、プラントベースフードの開発が進みベビーフードにも変化が起きているというお話についてご紹介しました。
現在、目まぐるしい勢いでプラントベースフードの市場は伸びており、着々とプラントベースが実践しやすい環境が整ってきています。さらに原料となる代替品の登場によって、既存の商品がプラントベースフードに置き換わっていく現象はこれからますます勢いづいていきそうです。
日本においてもプラントベースが徐々に広がりつつあるなか、今後の影響から目が離せません。