世界中で知られている日本語には様々なものがあります。
例えばカラオケkaraokeや盆栽bonsaiなどは日本生まれのものであり、そのままの意味で広まっているので名前を言うだけで通じます。世界的に続く和食ブームによって天ぷらtempuraや焼き鳥yakitoriなどといった食べものの名前も広まっています。しかし、海外で最も知名度が高い和食と言えばやはり寿司sushiではないでしょうか。
今回は、海外で大人気の末に大きな進化を遂げている寿司について、植物性料理との関わりからご紹介します。
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海外で進化してきたSUSHI
和食ブームで一躍有名となった日本酒ですが、これは酒sakeとして知られています。日本語で酒というとアルコール全般を指すので少しだけ意味が変わっています。寿司sushiも同じようなことがいえます。日本でもし寿司と言えば、基本的にはシャリに魚が乗っている握り寿司のイメージが最も一般的ではないでしょうか。しかし、海外でsushiと言って一般的にイメージされるのは巻き寿司なのです。
海外では日本と違い、魚を生で食べる文化が少ないので魚の見た目や味が全面に出ている握り寿司ではなく、巻き寿司の方が寿司として受け入れやすかったからではないかと言われています。
海外の寿司と言えば、スモークサーモンとクリームチーズが入ったフィラデルフィア・ロールや、アボカド・キュウリ・カニカマが入ったカリフォルニアロールなどがよく知られているのではないでしょうか。クリームチーズやアボカドが入った寿司は、昔には考えられなかったような組み合わせかもしれません。しかし、今では日本にも逆輸入されてきて、回転寿司店でも見かけるようになるなど徐々に定着してきた感があります。
そのほかにも、カットした巻き寿司に衣を付けてご飯ごと揚げたフライ寿司が登場するなど海外での寿司の進化はとどまるところを知りません。
植物性料理としても進化するSUSHI
このように海外でも次々と新しいレシピが編み出されている寿司ですが、プラントベースフードのブームの流れも取り込んで植物性料理としても進化しています。
例えばカリフォルニアロール発祥の地であるアメリカの西海岸は、ビーガンが多い地域です。ビーガンは肉食はもちろんのこと、魚も食べない菜食主義のライフスタイルなので、魚の入った寿司は食べられません。そこでビーガンの人達に向けて、ウナギに似せたナスの寿司やマグロに似せたトマトの寿司などが生まれています。
他にも、カニカマを使った巻き寿司の例もあります。カニカマはもともと魚のすり身を使ってカニのような味と食感を出した食べものですが、これも魚が入っているのでビーガンにとってはNG食材となります。そこで、カニでもカニカマでもなく、ジャックフルーツや揚げた豆腐を使うことで植物性料理に進化した巻き寿司もあります。
プラントベースフードを幅広い種類にわたって開発・販売しているイギリスの食品スーパー大手テスコでも、普通の寿司だけではなくビーガン向けの野菜寿司も売られています。
実は日本にもある野菜寿司
もともと日本には、高知県の田舎寿司などでも知られているように野菜寿司が存在していました。これは野菜を魚の代わりに具としてシャリの上に乗せた握り寿司です。山間部で魚が手に入りずらいからこそ生まれた食べものだと言われていますが、今の時代の言葉で言うとれっきとした植物性料理です。
また誰しも一度は食べたことのあるかっぱ巻きやカンピョウ巻き。これらも野菜のみで作られているため実は植物性料理だと言えます。
このように普段食べたことのある食べもので考えるとプラントベースや植物性料理についても一気に身近に感じることができるのではないでしょうか。
まとめ
今回は世界中で様々な人から愛される寿司についてご紹介しました。
海外のスーパーやレストランなどですっかり浸透した寿司ですが、これだけ人気のある理由はもともとの美味しさだけにとどまらない自由な進化のスタイルが背景にあるようです。
いま、海外のレストランでは寿司をアート作品のように彩る提供スタイルが流行ってきているそうです。日本でも、インスタ映えのするベジ寿司などとして新しい進化の兆しが見られています。今後はプラントベースフードとして日本でも定着していくのかもしれません。