プラントベースフードの世界的な人気によって、既存の食品が違った角度から取り上げられるというケースが数多く生まれています。それは伝統食品も例外ではありません。
インドネシアの伝統食品テンペもそんな食材のうちの一つ。
あなたはテンペという名前を聞いたことがありますか?大豆発酵食品であるテンペは、いま肉の代替品としてプラントベースの観点から人気になっている食べ物です。
今回は、まだまだあまり知られていないテンペについて、プラントベースフードとの関係からご紹介します。
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テンペとは何か?
テンペとは、インドネシアで古くから食べられている伝統的な大豆発酵食品です。
日本で大豆発酵食品というと納豆を思い浮かべる人が多いかもしれません。納豆は非常に個性が強い食べ物ですので、特に食べ慣れていない人には好き嫌いの分かれる食べ物です。
一方で、テンペには納豆のような強い匂いや粘りはありませんので、癖がなく食べやすい食べ物であると言われています。
テンペの香りはきのこあるいはナッツのような香りとよく表現されますが、そのまま食べるのではなく主に調理用の食材として使われます。
テンペは大豆が互いにくっついた塊状になっているものの切り分けるのが容易なため、加工がしやすいのが特徴です。炒め物、揚げ物、煮物など料理用途も多彩です。
テンペ自体は淡白な味わいなので下味を付けたあとに調理すれば、主食にも副食にもなる万能の食材です。
プラントベースとテンペとの関わり
プラントベースフードの世界的な人気によって、既存の食品が違った角度から取り上げられるというケースが数多く生まれています。以前の記事(参考URL:ジャックフルーツとは何か?プラントベースフード頻出の人気果物とは)でも肉の代替品として注目されるジャックフルーツについて取り上げました。前回のジャックフルーツは果物でしたが、今回のテンペは大豆由来の伝統食品です。
ジャックフルーツの場合、肉の代替品としての機能を考えた際に、シンプルな素材の味わいとしっかりとした食感が肉もどきとしての決め手でした。ただし、元の素材が果物なのでたんぱく質の含有量が低く、完全な肉の代替品の摂取としては向かないという点がありました。
その点において、テンペの場合は淡白な味わいとしっかりとした食感が共通しているのに加え、元の素材が大豆を原料としているので豊富なたんぱく質を含んでいます。
プラントベースで不足しがちなタンパク質を摂取出来ることから、テンペは肉の代替品として脚光を浴びています。今ではテンペはプラントベースフードとしてインドネシアのみならず世界各国で楽しまれています。
広がる海外のテンペ商品
もともとインドネシアでは調理用の食材として親しまれてきたテンペ。しかし、プラントベースとして楽しむ人も増えてきたことから味付けのされてない状態のテンペだけでなく、加工品として調味されたものも売られるようになってきています。
例えば、イギリスのTiba Tempehというプラントベース専門のブランドからはカレー風味のテンペやスイートチリ風味のテンペ、カレー風味のテンペなど多岐に渡るフレーバーが販売されています。
このような商品のバラエティの豊かさからも、テンペが人気になっているのが分かるのではないでしょうか。
(写真はhttps://www.tibatempeh.com/より)
まとめ
今回はインドネシア発の大豆発酵食品テンペについて、プラントベースとの関わりとあわせてご紹介しました。
プラントベースでは食を通じて世界と繋がることが出来ます。もともとインドネシアの伝統食品であったものがプラントベースの人気の高まりによって世界中で食べられているのは興味深いですね。肉の代替品としても可能性を秘める大豆発酵食品のテンペ。見かけたらぜひ挑戦してみてはいかがでしょうか。