一昔前ココナッツと言えば南国でしかお目にかかれない果物であり、例えばココナッツウォーターは現地に行って飲むか、アジアンマーケットなどといった特定のお店でしか出会うことのないものでした。しかし、いまやココナッツの加工品がどんどん生産されるようになり、日本でもココナッツ製品の輸入が盛んに行われるようになりました。ココナッツはどんどん身近な食べものになってきています。
ココナッツは、その用途の幅広さからプラントベースでも無限の可能性を持つ食べものとしても人気を博しています。
今回はそんな万能果物であるココナッツについてご紹介します。
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ココナッツウォーター
ココナッツと聞いて真っ先に思い浮かぶのはココナッツウォーターではないでしょうか?
ココナッツウォーターはココナッツジュースとも呼ばれ、椰子の実が成熟する前のまだ青い状態のときに実の内部に蓄えられている水分のことを指します。
未熟な状態なので、熟したココナッツの強い味わいとは異なります。味の特徴としては、薄味のなかに特有の微かな甘みがあることが挙げられます。
ココナッツが取れる地域では、先端部分が切り落とされ、ストローを刺された状態で売られていることがあります。日本では、缶詰やドリンクに加工された製品として主によく見られます。
これらの製品は無添加のものもあれば、飲みやすいよう加糖されているものもあります。ココナッツウォーターは主に飲み物として親しまれていますが、料理にも使われます。
ココナッツミルク
椰子の実は成熟すると、外側が茶色になり内部の水分は白く固まります。この白い部分が、ココナッツミルクやココナッツオイルの元となります。
ココナッツミルクとは、この白い部分を水分でのばして作られたものですので、ミルクという名前の通りまるで牛乳のような見た目です。ココナッツミルクは以前記事でもご紹介した通り(参考記事:植物性ミルクとは何か?プラントベースフードのミルク)植物性ミルクなので、もちろんプラントベースフードに分類されるものです。
ココナッツミルクは、ココナッツウォーターのような微かな味わいとは異なり、特有の強い甘みを持っています。飲み物としてはもちろん、料理やお菓子作りなどに広く使われます。さらに、水を加えるだけでココナッツミルクになるココナッツミルクパウダーという粉末状のタイプのものも存在します。
ココナッツオイル
ココナッツオイルはココナッツミルクと同じく白い部分から作られたものです。
数年前に海外セレブが愛用していると発信したことで世界中に一躍ココナッツオイルブームが巻き起こりました。
日本でもココナッツオイルの効用が連日盛んにメディア等で取り上げられ、油脂メーカーがココナッツオイルの新商品を競って世に送り出したものです。あのときほどの勢いはないものの、ココナッツオイルを使ったレシピが広がったこともあり、今ではスーパーの陳列棚にすっかり定番化しました。
ココナッツオイルは、長時間の加熱にはあまり向きません。したがって、オイルといっても揚げ物のような使い方ではない方法がおすすめです。冬場など低い温度のときは液体から固体へ状態が変化します。こちらも味としては同じくココナッツ特有の甘みが感じられ、料理やお菓子作りなどに広く使われます。
ココナッツフレーク・その他
同じく内部の白い部分を削り取ったものは、ココナッツフレークとしても知られています。主にお菓子作りに使われることが多く、加工度に応じて名称も変化します。
例えば、ココナッツフレークを紐状に砕いたものはココナッツロング、粗めに砕いたものはココナッツファイン、さらに細く粉末状にまで砕いたものはココナッツパウダー(ココナッツフラワー)と呼ばれます。
ざくざくとした食感を残したいなら大きいものを選ぶ、風味づけとして少量必要なら小さいものを選ぶ、といった用途に合わせた使い分けができます。
ココナッツシュガー
ココナッツシュガーはココナッツの花の蜜から作られた砂糖です。普通の砂糖のような甘さに加えてココナッツの風味が楽しめます。低GI食品としても近年注目されています。
まとめ
ココナッツはもともと原産の国々では捨てるところのない果物として食品のみならず幅広く活用されてきた果物です。美味しさに加えて、栄養面や新たな活用方法がもてはやされるようになり、いまやプラントベースにも欠かせない存在になっています。日本でも数年前のココナッツオイルブームでココナッツ製品に気付いたという方も多くいるのではないでしょうか?
料理からお菓子まで広く使える万能なココナッツ。プラントベースに挑戦する際にはプラントベースフードの選択肢の1つに入れてみてはいかがでしょうか。